不飽和脂肪酸とは?「良い油」の選び方と摂り方の正解

不飽和脂肪酸とは?「良い油」の選び方と摂り方の正解

不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸、どう違う?

プロテインバーの成分表示やオイル選びで、「不飽和脂肪酸」「飽和脂肪酸」の違いに迷うことはありませんか?この記事では、脂肪酸の構造や食事での摂り方を解説します。なお、プロテインバーは不足分を補う使い方がおすすめで、脂質も見て選び、その後の食事もしっかり取りましょう。

常温で液体か固体かが見分け方

不飽和脂肪酸は、炭素間に一つ以上の二重結合を持つ脂肪酸です(農林水産省「脂質による健康影響」)。分子が折れ曲がったシス型と、まっすぐ伸びたトランス型があります(厚生労働省 e-ヘルスネット「脂肪/脂質」)。一方、飽和脂肪酸は二重結合を持たず、分子がまっすぐで隙間なく並びやすい性質があります。

この構造の違いが、常温での状態に表れます。不飽和脂肪酸は分子の間に隙間ができやすく、常温で液体になりやすいのが特徴で、オリーブ油などが代表例です。対して飽和脂肪酸は、常温で固体になりやすい性質があり、牛脂やバターなどが代表例です。食品中の脂質には複数の脂肪酸が含まれており、常温で液体か固体かだけで、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を正確に区別できるわけではありませんが、常温での状態がひとつの目安になるでしょう。

一価と多価、それぞれの役割

不飽和脂肪酸は、二重結合の数によって一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。一価不飽和脂肪酸はオリーブ油などに多く含まれます。多価不飽和脂肪酸の一部は、体内で合成できない必須脂肪酸です。

一方で、飽和脂肪酸には注意が必要です。農林水産省は、飽和脂肪酸の過剰摂取が血中総コレステロールを増加させ、循環器疾患のリスクを高める可能性を説明しています。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の飽和脂肪酸の目標量を総エネルギー摂取量の7%以下としています。しかし、2023年の国民健康・栄養調査から算出した20歳以上の日本人の飽和脂肪酸平均摂取量は、総エネルギー摂取量の8.3%相当でした(農林水産省「脂質のとりすぎに注意」)。目標量をやや上回っているのが実態です。毎日の食事では、飽和脂肪酸を意識して減らし、必須脂肪酸を含む不飽和脂肪酸をバランスよく選ぶことが大切です。

オメガ3・6・9、毎日の食事でどう摂る?

オメガ3、オメガ6、オメガ9といった言葉は、健康に良い油としてよく耳にします。オメガ3とオメガ6は多価不飽和脂肪酸、オメガ9は一価不飽和脂肪酸に分類されます。毎日の食事でこれらをどう取り入れればよいか、具体的な目安量と食品の探し方を解説します。

食品成分データベースで探すオメガ3

普段の食事でオメガ3(n-3系多価不飽和脂肪酸)を効率よく摂るには、どの食品にどのくらい含まれているかを知っておくと便利です。文部科学省が提供する食品成分データベースでは、食品ごとのn-3系多価不飽和脂肪酸の含有量を無料で確認できます。

データベースの脂肪酸項目には、可食部100g当たりのn-3系多価不飽和脂肪酸量が掲載されています(文部科学省 食品成分データベース)。100gという単位は、実際に食べる分量とは異なるため、自分が食べる1食分や1切れあたりの量に換算してイメージすることが大切です。例えば、脂の乗ったサンマやサバなどの青魚、クルミやアマニ油、エゴマ油などが代表的な供給源です。

オメガ3は熱や光、酸素に触れると酸化しやすい性質があります。そのため、加熱調理で油を使うよりも、生の魚介類を食べたり、加熱済みの料理にアマニ油を垂らしたりするほうが、効率よく摂取できるでしょう。オメガ3を含む食品や食べ方に関連して、脳の健康や機能性に関心がある方は、ヤマブシタケ(ライオンズメーン)の効果とは?研究の現在地と食べ方・注意点で紹介していますので、あわせて参考にしてください。

オメガ6はサラダ油やごま油などに、オメガ9はオリーブオイルや菜種油などに多く含まれます。これらもデータベースで数値を確認できます。

年齢・性別ごとの目安量と摂り方

オメガ3(n-3系脂肪酸)の目安量は、年齢や性別によって細かく設定されています。厚生労働省の食事摂取基準(厚生労働省 食事摂取基準)によると、成人男性の目安量は18~49歳で1日2.2g、50歳以上で1日2.3gです。一方、成人女性は18~49歳で1日1.7g、50~64歳で1日1.9g、65歳以上で1日2.0gとされています。

1日あたり約2gのオメガ3を摂るには、どのように献立を組み立てればよいでしょうか。例えば、サンマの塩焼き1尾(可食部約100g)や、マグロの刺身数切れで、1日に必要なオメガ3の大半をカバーできます。植物性で摂るなら、クルミ約20g(一掴み程度)や、アマニ油小さじ1杯強が目安になります。これらの食品を毎日食べ続けるのが難しい場合は、数日単位でトータルの摂取量が基準に近づくよう調整する方法もあります。

オメガ6の目安量も同様に基準が設けられています。オメガ9に至っては、生活習慣病への影響が明らかでないため、摂取基準そのものが設定されていません。

ただし、脂質は1gあたり9kcalと、たんぱく質や炭水化物の約2倍の熱量を持ちます。目安量を満たそうとして油ものを食べすぎれば、総エネルギー摂取量が過剰になる恐れがあります。オメガ3を多く含む食品は、同時に良質なたんぱく質を含むものも多いため、間食にプロテインバーを取り入れるなど、栄養バランス全体を見て毎日の食事に組み込むのがおすすめです。

「体に良い油」の誤解と酸化のリスク 

「体に良い油」として注目される不飽和脂肪酸ですが、実は摂取基準やエビデンスには曖昧な部分もあります。また、酸化しやすいという性質も押さえておきたいポイントです。ここでは、油に関する誤解を解きながら、毎日の食事でどう付き合っていくべきかを整理します。

摂取基準やエビデンスの「曖昧さ」を知る

健康に良いとされる油について、摂取基準やエビデンスの「曖昧さ」を知っておくと、食事の選び方がより的確になります。前述のとおり、必須脂肪酸であっても主な生活習慣病への量的な影響が明らかでないものがあり、摂取基準が設定されていないものもあります。

例えば、n-3系脂肪酸に含まれるEPAやDHAです。これらの摂取が冠動脈疾患の予防に有効とする研究報告は複数存在します。しかし、類似目的の介入研究をまとめたメタ分析では、その見解を支持せず、目標量の設定は見送られました(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」)。

研究ごとに対象者や条件が異なるため、結果を単純に比べることはできません。また、特定の油を大量に摂れば健康になるわけでもありません。「この油を摂れば病気が防げる」といった単純な図式で捉えるのではなく、食事全体で脂質のバランスを見渡すことが大切です。

体に良い油ほど熱と光に弱い理由

前述のとおり、不飽和脂肪酸は炭素間に二重結合を持つ構造をしています。この二重結合は酸素と結びつきやすく、健康に良いとされる油ほど、熱や光、空気に触れることで酸化しやすいという性質を持っています。

酸化が進んだ油は、風味が劣化するだけでなく、過酸化脂質という物質に変化し、体調管理の妨げになる可能性があります。

料理で使う場合、えごま油やアマニ油などのn-3系脂肪酸が豊富な油は熱に非常に弱く、加熱すると酸化が進みやすくなります。炒め物や揚げ物には使わず、ドレッシングとしてかけるなど、加熱しない食べ方がおすすめです。オリーブ油などは一価不飽和脂肪酸が多く比較的熱に強いですが、それでも高温での長時間加熱は避けましょう。

開封済みのオイルは、しっかり密閉して冷暗所で保管し、早めに使い切ることが大切です。

また、プロテインバーなどの加工食品に含まれる脂質も、酸化から守るために適切な包装で光や空気を遮断しています。購入後は、カバンの中で高温にならないよう直射日光を避けて保存しましょう。

肌の調子と油の関係、正解は食べるほう

肌の調子は、スキンケアで油分を塗るだけでは整いません。血中脂質のバランスが肌のバリア機能の基盤となるため、毎日の食事から油をどう摂るかが大切です。内側から整える正解を知り、日々の食事に取り入れましょう。

血中脂質と肌のバリア機能の関連

肌のバリア機能を支える角質層の細胞間脂質は、血液を通じて運ばれた脂質が材料となります。そのため、血中脂質のバランスが肌の状態に関わってくるのです。

オメガ3脂肪酸の摂取量と血中脂質の関連について、90件の無作為化比較試験(計72,598人)を対象とした用量反応メタ解析があります(PubMed掲載の論文、2023年)。この研究では、オメガ3脂肪酸の摂取量と血中脂質の変化の関連を調べました。

その結果、オメガ3脂肪酸の摂取量と中性脂肪・非HDLコレステロールの変化にはおおむね直線的な関連があり、LDL・HDLコレステロールにはJ字型の関連がみられました。

研究ごとに対象者や条件が異なるため、結果を単純に比べることはできません。

血中の脂質バランスが乱れると、全身の細胞へ必要な脂質がうまく届かなくなります。肌のバリア機能の基盤となる脂質環境を整えるためにも、血中脂質のバランスに目を向けることが大切です。

塗るよりも「食べる」油が重要な理由

肌が乾燥するからといって、化粧品で油分を補えばよいと考える人は多いでしょう。しかし、スキンケアで油分を塗ることは表面の保護には役立ちますが、肌の細胞そのものの材料となる脂質は、食事から摂る必要があります。

一方、食べる油は血液を通じて肌の内側から土台をつくります。

毎日の食事で植物性や魚由来の脂質を意識的に取り入れ、血中脂質のバランスを整えることが、肌の調子を底上げする正解といえるでしょう。外側からの保護と内側からの材料供給、両面の視点を持つことが大切です。

BRAIN PROの脂質、何でできているか 

プロテインバーの脂質は、ただのエネルギー源ではありません。何から作られているかで、食べたときの満足感や、その後の体の軽やかさは大きく変わります。ここでは、市販のバーと比較しながら、BRAIN PROが脂質を「植物性」にこだわる理由や、その内訳を解き明かします。

市販プロテインバーとBRAIN PROの栄養成分比較

コンビニやスーパーで並ぶプロテインバーは、脂質の「由来」によって大きく2つに分けられます。

一つは、inバー プロテイン バニラやカロリーメイト チーズ味のように、乳製品由来の動物性脂質を含むタイプです。カロリーメイト チーズ味は動物性脂質を含む高脂質な設計で、乳清タンパク質と動物性脂質を組み合わせた商品もあります。これらはコクが強い反面、動物性の脂質が重く感じられることがあります。

もう一つは、SOYJOY アーモンド&チョコレートやザバス ソイプロテインバー ビターチョコ味、1本満足バー プロテインチョコのように、植物性タンパク質をベースにしたタイプです。

BRAIN PROは、この「植物性」の枠組みの中でも、さらに素材の脂質を活かした設計になっています。動物性原料を一切使わず、カゼインやバターなども配合していません。脂質13.5gは他のバーと比べても決して少なくありませんが、内訳は植物由来です。

植物性のプロテインバーは、たんぱく質量や食事との組み合わせも踏まえて選べます。植物性タンパク質そのものについて深く知りたい場合は、えんどう豆プロテインのメリット・デメリットを正直に解説も参考になります。

商品 内容量 糖質 人工甘味料 白砂糖 たんぱく質(由来)
ザバス プロテインバー ミルクチョコレート味 60g 表示なし(糖類10.4g) 使用(スクラロース) 使用 23.7g/乳・大豆
inバー プロテイン バニラ 37g 9.9g 使用(スクラロース) 使用 10.7g/大豆・乳
1本満足バー プロテインチョコ 39g 9.5g 不使用 使用 16g/大豆・乳
SOYJOY アーモンド&チョコレート 30g 7.6g 不使用 使用 5g/大豆
BRAIN PRO 35g 4.9g 不使用 不使用 11.1g/植物性(えんどう豆)

各商品の数値は、2026年9月25日時点で各メーカーの公式サイトに掲載されていた栄養成分表示によります。商品の改訂により変わることがあります。

脂質13.5gの正体は「ナッツとカカオ」

BRAIN PROの脂質13.5gは、主にアーモンドペースト、ココナッツオイル、カカオバターから作られています。

これらはすべて植物由来の脂質です。加工油脂を使わず、素材そのものの油分を活かしているのが特徴です。

アーモンドのしっかりした食感と、カカオバターの滑らかな口溶けが、食べたときの満足感につながります。また、白砂糖やトランス脂肪酸、着色料だけでなく、小麦やカゼインも不使用です。

ただし、大豆とアーモンドを原材料に含むため、これらにアレルギーがある人は注意が必要です。

動物性の脂質が重く感じられる日や、植物性の素材だけでしっかりエネルギーを補いたい日に、BRAIN PROはおすすめです。

植物性脂質と動物性脂質の選び分け

コンビニやスーパーでプロテインバーを手にとったとき、「乳清たんぱく質」や「大豆たんぱく質」という表示を目にすることがあります。たんぱく質の由来と同じように、脂質にも動物性と植物性の違いがあります。

牛乳やチーズ、乳清(ホエイ)などを使うプロテインバーには、動物性の脂質が含まれやすくなります。動物性脂質は常温で固体になりやすく、前述のとおり飽和脂肪酸の割合が高くなる傾向があります。一方、大豆やアーモンド、カカオなどを主原料にした植物性ベースのプロテインバーは、植物性脂質が中心です。植物性脂質は不飽和脂肪酸を多く含み、常温で液体になりやすい特徴があります。

毎日の食事から不飽和脂肪酸を積極的に取り入れたい場合は、原材料表示の順番を確認してみましょう。先頭にナッツ類や植物性油脂が記載されているものを選ぶと、植物性脂質を効率よく補えます。脂質の由来まで表示を確認すると、自分の食事全体でどのような油が補えるかを見極めやすくなります。

BRAIN PRO

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よくある質問

オリーブオイルは不飽和脂肪酸ですか?

はい、オリーブオイルは不飽和脂肪酸の一種です。主成分であるオレイン酸は「一価不飽和脂肪酸」に分類されます。一価不飽和脂肪酸は酸化に比較的強く、加熱調理にも使いやすいのが特徴です。ただし、あくまで脂質であるため、エネルギー量は他の油と変わりません。健康に良いからと摂りすぎず、適量を守る意識を持ちましょう。

不飽和脂肪酸をとりすぎるとどうなる?

体に良いとされる不飽和脂肪酸であっても、摂りすぎればエネルギー過多につながります。脂質は1gあたり9kcalと高カロリーなため、いくら質が良くても食べすぎは体重増加のリスクを招きます。オメガ3などの必須脂肪酸は意識して摂るべきですが、総量管理を怠らないことが大切です。

まとめ

不飽和脂肪酸は体の調子を整える重要な栄養素ですが、酸化のしやすさやカロリーの高さといった性質も併せ持っています。油選びでは「体に良い」という言葉だけでなく、どのような原料から作られているか、どう保存すべきかまで目を向けることが大切です。毎日の食事で植物性の脂質を意識し、無理なく続けられるバランスを見つけていきましょう。

 

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