食物繊維の水溶性・不溶性の違いと便秘への効果|食材別一覧

食物繊維の水溶性・不溶性の違いと便秘への効果|食材別一覧

水溶性・不溶性食物繊維の違いと「目標摂取量」

「野菜や穀物をしっかり食べているのに、お腹の調子が整わない」と悩むことはありませんか?この記事では、食物繊維の水溶性・不溶性それぞれの違いと、厚生労働省が示す2025年版の目標摂取量を解説します。

水への溶けやすさと腸内での働きの違い

厚生労働省は、水溶性食物繊維を水に溶ける食物繊維、不溶性食物繊維を水に溶けず便のかさを増やす食物繊維として説明しています。

水に溶ける性質を持つ水溶性は、水分を含んでゲル状になるため、糖質の吸収を穏やかにしたり、腸内環境を整えたりする働きが期待されています。海藻類や納豆、オーツ麦などに多く含まれています。一方、水に溶けない不溶性は、水分を吸収してふくらみ、便のかさを増やして腸のぜん動運動を促す特徴があります。キノコ類や豆類、野菜類などに豊富です。

「便秘には食物繊維」と聞いて、不溶性食物繊維を多く含む野菜や穀物を積極的に摂っている人もいるでしょう。ただし、水分不足の状態で不溶性食物繊維だけが多く集まると、腸の中でかたまりになり、かえって通りが悪くなることもあります。こうしたよくある勘違いを知ったうえで、水分をしっかりと補給しながら、両方の食物繊維をバランスよく取り入れるのが大切です。

ちなみに、近年は食物繊維を手軽に摂れるプロテインバーなどの加工食品も増えていますが、それだけで済ませるのではなく、基本は食事から取り、不足分を補う使い方がおすすめです。こうした食品を使う場合も、食物繊維の量だけでなく、たんぱく質や糖質、脂質などの栄養成分表示を合わせて確認し、1日の食事全体と照らし合わせながら取り入れましょう。

厚生労働省が定義する「食物繊維」の正体と2025年版目標量

まず、私たちが普段口にしている食物繊維とは、具体的に何を指すのでしょうか。

厚生労働省は、食物繊維を「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と説明しています。

つまり、水溶性・不溶性の両方を合わせたすべての難消化性成分を指す言葉です。

では、1日にどれくらい摂ればよいのでしょうか。

厚生労働省が示す2025年版「日本人の食事摂取基準」では、成人の食物繊維の目標量を男性が1日20g以上、女性が1日18g以上としています。

さらに、生活習慣病リスク低下に関する報告を踏まえ、少なくとも1日25g摂取することが望ましいとも説明されています。

この目標量は、2型糖尿病や大腸がん、心筋梗塞などの発症リスク低下との関連を踏まえて設定されています(厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」)。

今の日本人は目標量に満たないケースが多いため、毎日の食事で意識して取り入れる必要があります。

ただし、1食で一気に目標量をクリアしようとすると、食事のボリュームが大きくなりすぎたり、お腹が張ったりすることもあります。

野菜やきのこ、海藻類など、食物繊維を含む食品群を、朝昼晩の献立に少しずつ分けて加えてみましょう。

【重要】食物繊維を摂っているのに便秘が改善しない理由

「便秘には食物繊維」と聞き、野菜やきのこ類を意識して増やしました。それなのに、お腹が張って苦しくなり、かえって便が出にくくなりました。そんな経験はありませんか。食物繊維なら何でもよいわけではなく、種類によって腸への作用は異なります。ここでは、なぜ「食物繊維を摂っているのに便秘が改善しない」のか、そのメカニズムと解決策となる研究結果を解説します。

不溶性食物繊維の「とりすぎ」が腸を刺激するメカニズム

野菜やきのこ、豆類に多い不溶性食物繊維。前述のとおり、水を吸って膨らみ、便のかさを増やすのが役割です。しかし、この性質が裏目に出ることがあります。

不溶性食物繊維は、腸内で水分を集めて膨張します。水分補給が十分であれば、かさ増しされた便が腸の蠕動運動を刺激し、スムーズな排出につながります。一方、水分不足や、もともと腸の動きが弱い状態で不溶性食物繊維ばかりを摂取するとどうなるでしょうか。

膨らんだ食物繊維が腸内の水分を奪い合い、便が硬くなってしまうリスクがあります。硬くなった便は腸の通り道で停滞しやすく、結果として「詰まり」や「お腹の張り」を引き起こします。また、不溶性食物繊維は発酵しにくく、腸内環境によってはガスが溜まりやすくなることも、張りや不快感の原因となります。

「便通を良くしよう」と不溶性食物繊維の割合が多い食品ばかりを食べ続けると、腸への物理的な刺激が強くなりすぎ、かえって排便を困難にしてしまうケースがあるのです。特に、不溶性食物繊維を多く含む野菜サラダやきのこ類を中心にした食事では、意識して水分を摂らない限り、このリスクが高まります。

厚生労働省の資料でも、不溶性食物繊維は「水に溶けず便のかさを増やす食物繊維」と定義されています。この「かさ増し」作用をスムーズに機能させるには、十分な水分と、便を柔らかく保つための水溶性食物繊維とのバランスが不可欠です。不溶性だけを「食物繊維=体に良い」と捉えて過剰に摂ることは、腸への負担を増やすことにもなり得ます。

便秘改善に有効なのは「水溶性」という研究結果

では、すでに便秘の症状がある場合、どの種類の食物繊維が有効なのでしょうか。

PubMed掲載の論文(2011年)によると、慢性特発性便秘の成人を対象とした6件の無作為化比較試験の系統的レビューにおいて、水溶性食物繊維(論文内では可溶性食物繊維)はプラセボと比べ、全般的な症状の改善や排便時のいきみの軽減がみられるという結果が示されています。

具体的な数値を見ると、水溶性食物繊維群では全般的な症状の改善が86.5%であったのに対し、プラセボ群では47.4%でした。また、排便時のいきみの改善についても、水溶性食物繊維群が55.6%、プラセボ群が28.6%と、明確な差が確認されています。

この研究は、慢性便秘に悩む人々において、水溶性食物繊維の摂取が有効である可能性を示唆するものです。一方で、研究ごとに対象者や条件が異なるため、結果を単純にすべての人に当てはめることはできません。また、不溶性食物繊維単独での効果や、水溶性との比較における優位性については、このレビューの主要な結論として「水溶性食物繊維の有効性」が強調されています。

つまり、「便秘がちだから」と言って不溶性食物繊維の多い野菜ばかりを増やすのではなく、水溶性食物繊維を含む食品を意識的に取り入れることが、症状改善への近道となるでしょう。

水溶性食物繊維は、前述の厚生労働省が挙げる食品群のうち、海藻類や果実類、大麦などに含まれています。毎日の食事でこれらをプラスすることで、便の硬さを調整し、腸内環境を優しく整えるアプローチが期待できます。

便秘が長引く場合や痛みを伴う場合は、自己判断で食物繊維の量を増やし続けるのではなく、医療機関への相談も検討してください。

バナナ・納豆・ブロッコリーは水溶性?不溶性?

コンビニやスーパーで手に取るバナナや納豆、ブロッコリー。これらに食物繊維がどちらの種類として多く含まれているか、ご存じですか。食材ごとに水溶性と不溶性のバランスは大きく異なり、目的に合わせて選び分けることが大切です。身近な食材100g当たりの具体的な数値をもとに、それぞれの分類と特徴を明らかにします。

身近な食材の食物繊維バランスと分類

文部科学省の食品成分データベースによると、バナナ(生)の可食部100g当たりの水溶性食物繊維は0.1g、不溶性食物繊維は1.0gです(文部科学省 食品成分データベース)。納豆の可食部100g当たり、水溶性食物繊維は2.4g、不溶性食物繊維は4.4gです(文部科学省 食品成分データベース)。ゆでたブロッコリーの可食部100g当たりの不溶性食物繊維は3.3gです(文部科学省 食品成分データベース)。

これらの数値を比べると、バナナもブロッコリーも不溶性食物繊維のほうが多いことがわかります。納豆は水溶性と不溶性の両方を含みますが、不溶性の割合がより大きくなります。ゆでたほうれんそうの不溶性食物繊維は3.0g(文部科学省 食品成分データベース)、ゆでたさやいんげんは2.0g(文部科学省 食品成分データベース)、ゆでたキャベツは1.5g(文部科学省 食品成分データベース)であり、野菜類も不溶性食物繊維が中心です。

このように、私たちが日常的に食べる野菜や豆類、果実類の多くは、不溶性食物繊維の割合が高くなっています。前述のとおり、不溶性食物繊維は水に溶けず便のかさを増やす働きがあります。そのため、すでに不溶性食物繊維を多く摂っている自覚がある場合は、水溶性食物繊維が豊富な食材を意識して加えるのがよいでしょう。不溶性と水溶性のバランスを意識することは、食物繊維の摂り方を整えるための第一歩になります。

水溶性食物繊維が一番多い食べ物は?

それでは、水溶性食物繊維を多く含む食材にはどのようなものがあるのでしょうか。一般的に、海藻類やきのこ類、大麦、オーツ麦などに水溶性食物繊維が豊富です。たとえば、寒天やわかめなどの海藻類は、その多くが水溶性食物繊維で構成されています。きのこ類も水溶性食物繊維を含む食品群として知られています。

水溶性食物繊維を意識して摂りたいとき、きのこ類は有力な選択肢です。たとえばヤマブシタケの効果と食べ方・注意点について詳しく知りたい場合は、そちらの記事もあわせて読んでみてください。

一方で、水溶性食物繊維は水に溶ける性質上、加熱調理や水洗いによって食材から溶け出しやすくなります。煮物やスープのように、汁ごと摂取できる調理法を選ぶと、溶け出した食物繊維も無駄なく摂れるでしょう。また、水溶性食物繊維は粘性を持つものが多く、胃腸内をゆっくり移動するため、満腹感を得やすいという特徴もあります。

日本食品標準成分表2020年版(八訂)では、食物繊維総量が本表に収載され、水溶性・不溶性の内訳は炭水化物成分表の食物繊維成分表に収載されています(文部科学省 成分表)。そのため、水溶性と不溶性のそれぞれが含まれる量を正確に知りたい場合は、この食物繊維成分表を参照するのがよいでしょう。

日常の食事の中で「今日は水溶性食物繊維を摂りたい」と考える日があれば、海藻類の汁物やきのこ類を使ったおかずを一品加えてみましょう。

不溶性食物繊維の多い食品と食べ方のコツ

不溶性食物繊維は水に溶けず、便のかさを増やす性質があります。厚生労働省は、食物繊維を含む食品群として穀類、いも類、豆類、野菜類、きのこ類、果実類、海藻類を挙げています。これらは食事の中心となる食材ですが、繊維質で硬いものも多く、調理の工夫が必要です。ここでは、不溶性食物繊維を多く含む食品の特徴と、調理法による変化を活かすポイントを解説します。

不溶性食物繊維が多い食品一覧と特徴

前述の通り、厚生労働省が示す食物繊維を含む食品群は、穀類、いも類、豆類、野菜類、きのこ類、果実類、海藻類です。これらはすべて食物繊維の供給源ですが、中でも不溶性食物繊維を多く含むのは、植物の細胞壁や筋、皮、軸などの硬い部分です。

例えば、穀類であれば精白されていない外皮、豆類であれば種皮、きのこ類であれば軸や傘の裏のひだの部分などが該当します。これらは水に溶けずにそのままの形で腸まで届き、便のかさを増やす役割を果たします。

野菜類では、ごぼうやセロリなどの根菜類、ブロッコリーやキャベツなどの葉茎菜類に多く含まれます。これらは繊維がしっかりしており、噛み応えがあるのが特徴です。果実類では、皮ごと食べられるものや、種の周りに果肉がついているものが該当します。海藻類は水溶性のイメージが強いですが、不溶性食物繊維も含まれています。

これらの食品は、水に溶けず便のかさを増やすという不溶性食物繊維の性質をそのまま持っています。そのため、調理せずに硬いまま食べると、胃腸への負担を感じることもあります。食材の特徴を知り、適切な調理法で食べやすくすることが重要です。

調理法で変わる食べやすさと吸収

不溶性食物繊維は、人の消化酵素で消化されない難消化性成分です。つまり、栄養素として体に吸収されてエネルギーになるわけではありません。その代わり、腸内で物理的な刺激となったり、かさを増やしたりして働きます。

ここで注目したいのが「ゆでる」という調理法です。文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では、ブロッコリーやほうれんそう、さやいんげん、キャベツなどの野菜について、ゆでた状態の食物繊維量が示されています。

生の野菜はかさが大きく、100gを食べるのにも苦労しますが、ゆでることでかさが減り、同じ重量でも多くの量を食べやすくなります。これにより、食物繊維の総量は維持されたまま、効率よく摂取することが可能です。

また、消化されない成分であるからこそ、よく噛んで物理的に細かく砕くことが大切です。硬い繊維をそのまま飲み込むと、消化不良のような不快感を感じることがあります。よく噛むことで唾液と混ざり、胃腸での移動がスムーズになります。調理で柔らかくし、よく噛んで食べる方法もあります。これが不溶性食物繊維を無理なく取り入れるコツです。

水溶性食物繊維を食事から摂るための「食品群」と「コツ」

水溶性食物繊維を日々の食事に取り入れるとき、どの食材に多く含まれているかを知っておくと、献立を立てやすくなります。ここでは、厚生労働省が示す食品群をもとに、水溶性食物繊維を効率よく摂るための食材の選び方と、毎日の食事で無理なく続けるためのコツをまとめました。

水溶性食物繊維を含む食品群の特定

水溶性食物繊維を特に多く含む食材としては、大麦やオーツ麦、わかめやめかぶなどの海藻類、里いも・ごぼう・オクラなどの野菜類、納豆などの豆類、りんごやみかんなどの果実類が挙げられます。

ただし、文部科学省のQ&Aによると、藻類は寒天質やアルギン酸などを含み、水溶性と不溶性の分別が困難なため、成分表では食物繊維総量のみを定量する場合があるとされています(文部科学省 食品成分表に関するQ&A)。海藻類の食物繊維を厳密に水溶性として数値化することは難しい面があります。

また、厚生労働省が確認した資料には、水溶性と不溶性を分けた摂取基準の数値は掲載されていません(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」)。「水溶性だけを毎日何グラム」という決まりはないのです。前述のとおり食物繊維全体の目標量を意識しつつ、これらの食品群から多様な食材を選ぶことで、水溶性食物繊維も不足なく摂れます。

毎日の食事で「水溶性」を意識する食べ方

水溶性食物繊維は水に溶けやすい性質を持っています。この特徴を活かすと、毎日の食事に取り入れやすくなります。

不溶性食物繊維を多く含む食材は硬く、食べにくいこともあります。一方、オクラや納豆、めかぶなどはねばり気やとろみがあり、スープや汁物にしても成分が溶け出すため無駄なく摂れます。朝ごはんに大麦入りのおにぎりとわかめスープを組み合わせる、あるいは納豆にめかぶを添えるといった食べ方は、無理なくプラスできるよい例です。

加工食品などの栄養成分表示を見る際も、食物繊維の捉え方を知っておくと選びやすくなります。消費者庁の資料によると、食品表示における食物繊維は、基本的に酵素・重量法によって定量されると説明されています(消費者庁 食品表示基準について)。また、プロスキー変法などでは水溶性と不溶性を測定し、その合計を食物繊維総量とします(文部科学省 日本食品標準成分表の解説)。

つまり、商品のパッケージに表示されている「食物繊維」の数字は、水溶性と不溶性を合わせた総量です。文部科学省のQ&Aでも、分析方法によって測定対象が異なるため、得られた総量は単純比較できないとされています。

「水溶性食物繊維配合」などの食品を選ぶ場合は、原材料表示を見て、難消化性デキストリンやイヌリンなど、水溶性に分類される原料が使われているかを確認するとよいでしょう。日々の食事で不足しやすいからこそ、表示の仕組みを知ったうえで、自分に合った食品を選んでいくことが大切です。

食品で不足分を補う「サプリメント・加工食品」の選び方

日々の食事だけで食物繊維の目標量をクリアするのは、実はハードルが高いものです。不足分をサプリメントや加工食品で補うとき、どのような表示を見て選べばよいのでしょうか。食品と補給食品の上手な付き合い方と、植物性素材を使うメリットを整理します。

食品だけで目標量を満たす難しさとサプリの位置づけ

厚生労働省の策定説明資料によると、食物繊維は生活習慣病リスク低下の報告を踏まえ、少なくとも1日25g摂取することが望ましいとされています。しかし、実際の目標量は、現在の日本人の摂取量と25gとの中間値に設定されています。つまり、日々の食事だけでクリアするには、野菜やきのこ類をかなり意識して食べ続けなければなりません。

忙しい日に食事だけで目標量を満たすのはハードルが高いため、サプリメントや加工食品を上手に組み合わせたくなります。これらはあくまで「不足分を補うための補食」という位置づけです。食事そのものを置き換えるのではなく、植物性の食材が不足している日のつなぎとして取り入れます。

選ぶときに気をつけたいのが、パッケージに表示されている「栄養素等表示基準値」です。消費者庁は、この基準値を日本人の食事摂取基準に基づく人口の加重平均値であり、必ずしも個人が目指す一日量ではないと説明しています(消費者庁の資料)。1本で1日分が摂れると誤解しないよう、あくまで自分の食事全体の中で足りていない分を計算して選ぶのが大切です。

植物性素材由来の食物繊維が選ばれる理由

加工食品やサプリメントで食物繊維を補うとき、植物の根や茎から抽出された素材が使われていることがあります。厚生労働省は、食物繊維を「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と説明しています。植物由来の水溶性食物繊維は、糖の吸収を穏やかにするなどの性質を持つため、健康を意識した食品の原料として選ばれています。

ただし、商品のパッケージに表示されているのは、あくまで「食物繊維総量」です。文部科学省の食品成分表では、測定法によって水溶性や不溶性などの値を合計して食物繊維総量を示しています(文部科学省の資料)。さらに、AOAC 2011.25法という方法では、低分子量水溶性食物繊維、高分子量水溶性食物繊維、不溶性食物繊維などを測定して食物繊維総量を算出します。

つまり、パッケージに「食物繊維10g」と書かれていても、それがすべて水溶性とは限りません。原材料表示を見て、どのような植物性素材から抽出された食物繊維が使われているかを確認するのが大切です。

例えば、甘味料や食物繊維の供給源として使われる植物性素材の性質について知りたい場合は、イヌリンとアガベシロップを白砂糖の代わりに使う考え方で紹介していますので、あわせて参考にしてください。

食品表示の「食物繊維」は総量であることに注意

スーパーでパッケージの裏を見る習慣は、自分の体に入れるものを知る第一歩です。しかし、そこに書かれている「食物繊維」の数字が、実は水溶性と不溶性を混ぜ合わせた「総量」であることは、あまり知られていません。どちらが多く入っているかで届く働きが変わるため、表示の仕組みを知り上手に選ぶことが大切です。

成分表の測定方法と「水溶性・不溶性」の内訳

先述の通り、厚生労働省は、食物繊維を「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と説明しています。この「総体」という言葉が示すように、私たちが目にする食品表示の食物繊維は、水溶性と不溶性を分けずに合算した合計量が記載されるのが一般的です。

では、水溶性が多いかどうかをどうやって見分ければよいのでしょうか。一般的な栄養成分表示の枠内には、水溶性と不溶性の内訳が書かれていないケースがほとんどです。

そこで注目したいのが、原材料名です。食品表示のルールでは、配合量の多い順に記載する必要があります。「水溶性食物繊維」や「難消化性デキストリン」「イヌリン」「ポリデキストロース」といった名前が原材料の上位にあれば、水溶性食物繊維を多く含んでいる食品だと推測できます。

サプリメントや加工食品を選ぶときのチェックポイント

日々の食事で不足しがちな食物繊維を補うため、サプリメントやプロテインバーなどの加工食品を活用する場面もあるでしょう。その際、パッケージの表面に「食物繊維たっぷり」や「〇g配合」と大きく書かれている商品を目にすることがあります。

しかし、ここでも「総量」であることに注意が必要です。前述のとおり、水溶性と不溶性では性質が異なります。不溶性食物繊維は水分を吸ってふくらむ性質があるため、食事から十分に摂れている人がさらに不溶性中心の加工食品を重ねると、お腹が張って苦しくなることもあります。

自分が今、どちらの食物繊維を補いたいかを明確にすることが、商品選びの大きなポイントになります。原材料名をチェックし、水溶性食物繊維由来の素材が使われているかを確認しましょう。

また、食物繊維だけを摂ればよいわけではなく、同時に摂取する糖質や脂質のバランスも、加工食品を選ぶうえでは重要な視点です。おやつとして食べるのか、食事の置き換えに近づけるのか。自分の体の調子や、その日の食事の内容に目を向けます。これが、加工食品やサプリメントをうまく取り入れるための考え方です。

関連する内容は、食物繊維がとれるおやつ|市販品で糖質まで見る選び方で紹介していますので、あわせて参考にしてください。

市販のプロテインバーとBRAIN PROの栄養成分比較

プロテインバーはたんぱく質を補給できる便利な食品ですが、商品によって糖質や原材料のバランスは大きく異なります。ここでは、一般的な市販品とBRAIN PROの特徴を比較し、自分の体の調子や目的に合わせてどう選べばよいかを具体的に整理します。

主要なプロテインバー5製品の比較表

プロテインバーを選ぶとき、パッケージの前面にある「たんぱく質〇g」の数字だけに注目してしまいがちです。しかし、実際に体に入れるものだからこそ、糖質の量やどんな原料で作られているかまで目を向ける必要があります。ここでは、代表的な5つのプロテインバーのカテゴリを比較します。

  • 乳清プロテインバー
    主な原料は乳清やミルクチョコレートです。動物性原料を使用しており、糖質を抑えるために糖アルコールや人工甘味料が使われることが多いです。乳糖不耐症の人や、乳製品を避けたい人にとっては選択肢が限られます。
  • 大豆プロテインバー
    主な原料は大豆タンパクや大豆パフです。植物性原料ですが、商品によって糖質や脂質のバランスが異なります。大豆の風味が強いため、食べやすさを重視して糖質が多めに設定されているものも見られます。
  • オートミールプロテインバー
    主な原料はオーツ麦や乳清です。穀類が主原料のため自然な甘みがある一方、炭水化物や糖質が多めになりやすい傾向があります。エネルギー補給を重視する場面には向いていますが、糖質を控えたい日には不向きです。
  • コラーゲンプロテインバー
    主な原料はコラーゲンペプチドやカカオです。動物性原料が使われ、美容を意識した商品に多く見られます。たんぱく質の量よりも、おいしさを重視して設計されているため、糖質や脂質が高めになることがあります。
  • BRAIN PRO
    主な原料はピープロテインやアーモンドペースト、イヌリンシロップです。白砂糖や動物性原料、小麦、カゼインを使用せず、植物性の食物繊維を含みます。糖質を抑えつつ、自然な甘みと食べ応えを両立させています。
商品 内容量 糖質 人工甘味料 白砂糖 たんぱく質(由来)
カロリーメイト チョコレート味 80g(4本) 39.7g 不使用 使用 8.7g/大豆・小麦
1本満足バー プロテインバイタリティ ベイクドカカオ 45g 12g 使用(アスパルテーム・スクラロース) 不使用 10g/大豆・乳
inバー プロテイン ベイクドチョコ 42g 11g 使用(スクラロース) 使用 15.8g/大豆・乳
ザバス ソイプロテインバー ビターチョコ味 45g 表示なし(糖類4.2g) 使用(スクラロース) 使用 16.5g/大豆
BRAIN PRO 35g 4.9g 不使用 不使用 11.1g/植物性(えんどう豆)

各商品の数値は、2026年9月25日時点で各メーカーの公式サイトに掲載されていた栄養成分表示によります。商品の改訂により変わることがあります。

たんぱく質だけでなく「糖質・原材料」のバランスで選ぶ

プロテインバーは、たんぱく質の量だけでなく、糖質と原材料のバランスで選ぶことが大切です。特に、午後の仕事や勉強の合間に甘いものを食べたいとき、あるいは外出先で手軽に補給したいときには、糖質が少なく、素材のバランスが整ったものが向いています。

BRAIN PROは、1本35gあたり190kcal、たんぱく質11.1g、糖質4.9g、食物繊維2.2gです。糖質4.9gを、人工甘味料や白砂糖を使わずに、アガベシロップとステビアで満たしています。白砂糖や保存料、小麦、動物性原料を避けたい人にも取り入れやすい構成です。

植物性原料のピープロテインとアーモンドペーストをベースにしているため、噛み応えがあり、時間をかけて食べやすいのも特徴です。イヌリンシロップを使うことで、植物性由来の食物繊維も補えます。アーモンドの風味とココアパウダーの控えめな甘さが、甘いものを食べたい欲求を穏やかに満たしてくれます。

大豆とアーモンドを原材料に含むため、これらにアレルギーがある人は注意が必要です。

人工甘味料や白砂糖を避けたい人や、植物性素材の穏やかな甘さで間食を済ませたい人には、BRAIN PROがおすすめです。デスクの引き出しやバッグに常備しておけば、急な空腹時にも慌てずに済むでしょう。

BRAIN PRO

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よくある質問

不溶性食物繊維のとりすぎはどうなりますか?

水分不足の状態で不溶性食物繊維ばかり摂ると、便が硬くなって排出されにくくなるリスクがあります。また、不溶性食物繊維は発酵しにくいため、腸内でガスが発生し、お腹が張る原因にもなります。不溶性が多い食品を食べる日は、水分をしっかりと補給し、便を柔らかく保つ水溶性食物繊維を組み合わせてバランスを整えましょう。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の理想的な割合はありますか?

厚生労働省の食事摂取基準には、水溶性と不溶性を分けた数値目標は掲載されていません。比率を厳密に計算するよりも、まずは食物繊維全体の目標量である男性20g以上、女性18g以上を意識し、その中で水溶性を含む食材を毎日の食事にプラスすることから始めましょう。

植物性プロテインと動物性プロテインで食物繊維量は違いますか?

食物繊維は植物性の食品に含まれる成分です。そのため、大豆やエンドウ豆などの植物性原料のプロテインには食物繊維が含まれますが、乳清や卵などの動物性原料そのものには含まれません。食物繊維も一緒に摂りたい場合は、植物性原料を使用したプロテインバーなどを選ぶと、たんぱく質とともに食物繊維も補いやすくなります。

まとめ

食物繊維は「量」だけでなく「質」を意識することが、お腹の調子を整える鍵です。不溶性食物繊維ばかりに偏らないよう、水溶性を含む食材や、植物性素材由来の加工食品を上手に取り入れましょう。パッケージの原材料名まで確認する習慣が、自分にとって最適な一本を選ぶことにつながります。毎日の食事で不足しやすい分は、表示を賢く使って補うことも大切です。

 

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